こんにちは。co-inと申します。

「Company」と「Interpreter」の頭文字2文字ずつを取ってco-inです。名前の通り、通訳業界でのサービスを始めました。

以前の記事では、会議主催者の立場から、どのようにWeb会議システム「Zoom」で同時通訳機能の設定をすればいいのかについてご紹介しました。

参考:【会議主催者向け】Zoom会議で同時通訳機能を設定する方法

【会議主催者向け】Zoom会議で同時通訳機能を設定する方法

今回の記事では、通訳者がZoomの同時通訳機能を利用する時の事前準備、当日の流れ、知っておくべきことについて画面キャプチャを利用しながら解説していきます。

Zoomとは

テレビ会議・Web会議をすることができるアプリケーションです。PC、スマートフォン、タブレットなどのどんなツールからでもアクセスすることができるため、いつでも、どこでもWeb会議ができます。同時に複数人でのアクセスをすることも可能です。

主にビジネスのオンライン会議において利用されています。新型コロナウイルスの影響もあり、2020年4月においては1日あたりの利用者が世界で3億人に達しました。基本的には無料で利用することができます。有料アカウントを作成することで、機能制限なく利用することも可能です。

Zoomには、同時通訳機能があります。同時通訳機能を利用することでZoom上で同時通訳を簡単に実現できます。操作には一定の慣れが必要になりますが、通訳者にとって非常に便利な機能です。

尚、通訳者として同時通訳機能を利用する場合は、無料のアカウントを保持していれば問題ないです。一方で、同時通訳機能を利用した会議を主催したい場合は、有料アカウントの購入が必要です。同時通訳機能を利用した会議の主催については以下の記事で詳細に解説しています。

【会議主催者向け】Zoom会議で同時通訳機能を設定する方法

通訳者としてZoomの同時通訳機能を利用するための事前準備

同時通訳機能を利用するために、通訳者が行う準備は、Zoomをダウンロードし、会議に参加できるようにおくことのみです。同時通訳機能を用いた会議を主催するのに必要な有料アカウントの購入などは不要です。

そのため、この項目では事前準備としてZoom会議への入り方を解説させていただきます。

会議の時間になりましたら、通常のZoom会議と同じように、会議ごとに振り分けられたミーティングIDから、Zoom会議へログインを行ってください。

上のキャプチャはZoom会議の招待メールの参考です。会議主催者からこのような形でMeeting IDが送付されます。(画像の黄色の部分)

Zoomを起動すると、「参加(join)」というボタンが見つかるかと思います。このボタンを押下し、次のページにてこのMeeting IDを入力すれば、会議に参加することが可能になります。

もしくは、画像内の青色のリンクを直接タップして頂いても会議に参加することが可能です。

通訳者の方で、Zoomでの会議が初めての方や、会議への入り方に不安があるような方は、私達にご連絡をいただければと思います。会議の入り方の予習や質問対応を無料で実施いたします。

会議当日の流れ

ここからは同時通訳機能を用いた会議当日の流れを通訳者目線で見ていこうと思います。

会議への参加

通常通りに会議を立ち上げ、参加します。このステップは他の会議の場合と同じで特別に行うことはありません。

通訳者のアサイン

会議に入ると主催者から通訳者の権限を割り当てられます。通訳者の権限を割り当てられた人が発言しても、その声は誰にも聞こえなくなります。通訳音声を届けるためには、次のステップで解説するターゲット言語の選択を必ず実施してください。

尚、通訳者権限の割り当てや割り当てられる言語は会議の主催者側しか設定できません。通訳者側で変更はできません。

以下では、実際に通訳者権限を割り当てられた時にどのような画面がでるかをキャプチャーを使い解説します。

例えば、主催者(主催者)があなたを日英通訳の同時通訳者にアサインするとします。主催者がアサインをすると、下記のようなメッセージが届きます。

メッセージを受け取ったらOKを押してください。アサインが完了します。

尚、OKを押しただけではまだ通訳は始まりません。先ほど説明したように、アサインされただけで、発言をしても誰にも聞こえません。通訳を開始する際は、次のステップにて解説するターゲット言語の選択を必ず実施してください。

ターゲット言語(訳出する言語)の選択

通訳者にアサインされると、下記のような言語切り替えボタンが画面の中央下部分に表示されるようになります。

会議中はずっと表示されているので、このボタンでどちらの言語に通訳するかを選択してから通訳しましょう。このボタンはソース言語ではなく必ず訳出する言語=ターゲット言語を選ぶようにしましょう。

例えば、英日/日英通訳の場面を想定します。

会場で英語の話者が話しているときは、「日本語」を選択します。(上の左側のキャプチャは日本語が選択されている状態です。)

この場合、聴き手側でも「日本語」のチャンネルを選択している人にのみ、「日本語」を選択している通訳者の訳出が聞こえるようになります。

一方、会場で日本語の話者が話しているときは、「英語」を選択します。(上の右側のキャプチャは英語が選択されている状態です。) この場合、聴き手側でも「英語」のチャンネルを選択している人にのみ、「英語」を選択している通訳者の訳出が聞こえるようになります。

このように会場で話されている言語(ソース言語)に合わせて、言語選択のタブを変更するようにしてください。この操作を実施しないと日本語チャンネルに英語の音声が流れたりしてしまうなどのトラブルが起きるので、ご注意ください。

Zoomの同時通訳機能を利用しているときの音声の聞こえ方

この項では、Zoomの同時通訳機能を利用しているときに会場音声や通訳音声がどのような状態になっているかを図解で解説します。

通訳者としても自分の訳出した音声がどのような仕組みで視聴者に届いているのか理解しておくことは会議をより良いものにするためにとても重要です。

Zoomの同時通訳機能を利用すると、会場音声に加えて、通訳音声というチャンネルが生成されます。複数言語の訳出が必要な場合、通訳音声は複数生成することが可能です。
上記の例では英語、日本語を通訳音声として設定しています。
会場音声、通訳音声それぞれの特徴をまとめました。

会場音声:上図中の会場で流れる音声です。通訳者以外の声が流れます。通訳者の権限が割り当てられた人の発言は会場音声としては聞こえません。

通訳音声:通訳者が訳出した音声を聞くことができます。言語ごとにチャンネルが分かれているので、好きな言語を選ぶことができます。会議主催者、会場参加者は言語を選択することで、希望の言語の通訳音声を聞くことが可能です。一方、通訳者に割り当てられた人は、ほかの通訳者が訳出している通訳音声を聞くことはできません。例えば、図中の通訳者1は通訳者2の声を聞くことができません。

ここからは、概念はわかったけど具体的にどう聞こえるのか知りたいという方のために上図のシチュエーションを例に取り、実際どのように音声が聞こえるのかを説明します。

会議の概要

  • アメリカ、日本の2か国の企業による経営戦略発表シンポジウム
  • それぞれ、英語、日本語を話す。そのため、会場は英語と日本語が交互に入れかう。
  • 同時通訳を実施する。

通訳音声をオフにしている人の聞こえ方

会場音声のみが聞こえます。

  • アメリカ企業が英語で発表しているとき:会場の英語音声
  • 日本企業が日本語で発表しているとき:会場の日本語音声

英語の通訳音声をオンにしている人の聞こえ方

常に英語音声がはっきり聞こえるように聞こえます。

  • アメリカ企業が英語で発表しているとき:会場の英語音声
  • 日本企業が日本語で発表しているとき:微量の会場の日本語音声と英語の通訳音声

日本語の通訳音声をオンにしている人の聞こえ方

常に日本語音声がはっきり聞こえるように聞こえます。

  • アメリカ企業が英語で発表しているとき:微量の会場の英語音声と日本語の通訳音声
  • 日本企業が日本語で発表しているとき:会場の日本語音声

つまり、視聴者としては自分が聞きたい通訳音声を選択しておけば、チャンネルを都度切り替えなくても常に自分が聞きたい言語の音声を聞くことができます。視聴者にとっては非常に便利な機能です。

Zoomの同時通訳機能を通訳者が利用する時に知っておいたほうがいいこと

通訳者の立場からZoomの同時通訳機能を利用する時に知っておいた方がいいことを3つ紹介します。

言語が切り替わるときは、その都度「ターゲット言語の選択」が必要

通訳者は、ソース言語が切り替わる度にターゲット言語の切り替えが必要です。これを実施しないと日本語音声のチャンネルに英語音声が聞こえるといったトラブルにつながります。

普段から同時通訳を経験している方は、ブース内の機材やパナガイド(簡易通訳機材)で言語を切り替える際にボタンやつまみで言語を切り替えることがあると思います。Zoomの同時通訳機能を用いた会議でも同様の感覚で言語切り替えを実施しましょう。

一方で、逐次通訳をメインでやられている方にとってこの操作はなじみが薄いかもしれません。事前に練習しておくことをお勧めします。

通訳者間コミュニケーションには事前準備が必要

同時通訳の場合には、複数の通訳者がアサインされることも珍しくないと思います。

ここで知っておくべきなのは、Zoomの同時通訳機能では通訳者の音声は他の通訳者に聞こえない仕様になっているということです。そのため、他の通訳者の訳出音声をZoom上で聞くことができません。

つまり、交代のタイミングを知らせる等の通訳者間コミュニケーションをZoom上以外で取る必要があります。
以下では、Zoom以外で通訳者間のコミュニケーションを取る方法を2つ紹介します。

【パートナーの訳出音声を聞くために別の端末で「参加者」として会議に参加する】

上述のように「通訳者」としてZoom会議に参加している以上、パートナーの訳出する音声は聞こえません。

パートナーの通訳音声を聞くことは交代のタイミングを図る上でも重要です。また、映像として訳出する姿が見えていることでできるサポートもあります。

そのため、通訳者としてZoomの同時通訳機能を用いた会議に参加する時は、端末を2台用意しましょう。そして、片方の端末では通訳者として参加し、もう片方の端末で参加者として参加し、パートナーの訳出音声を聞きましょう。

通訳者間のコミュニケーションをとるためにZoom以外のツールを利用する

Zoomの同時通訳機能では上記したように通訳者同士の音声は聞こえないです。そのため、通訳者間でコミュニケーションをとるにはZoomのチャット機能を利用する必要があります。しかしながら、チャット機能を利用したコミュニケーションは以下のように非常に手間がかかります。

  1. チャット機能を開きます。
  2. 多くの参加者の中から通訳パートナーを見つけます。(参加者が10人を超えることも)
  3. 見つけた通訳パートナーを送信先として指定します。
  4. メッセージを送信します。

上記の操作を同時通訳している最中にやる余裕はあまりないのではないでしょうか。(余談ですが、メッセージを利用する時、送信先を選択しないと会議参加者全員にメッセージが行くので気を付けましょう)

そのため、事前に交代時間を確実に定めておくという対応に加え、Zoom以外のツールでコミュニケーションルールを決めておくことをお勧めします。特に頻発するコミュニケーションは同時通訳交代のタイミングを知らせるコミュニケーションです。

LINE等利用するコミュニケーションツールを決め、交代の時に送るスタンプを決めておくといった対応が必要になります。(またまた余談ですが、かんたんに交代しやすくなるLineスタンプも会議通訳者の方から出ているようです。)

何より一番大切なことは事前にしっかりとパートナーとコミュニケーションをとることです。その上で、交代のタイミングやコミュニケーションルールを事前にきちんと決めておきましょう。パートナーとの信頼関係が益々重要になりそうですね。

Zoomのショートカットキーを覚えて効率的に操作をする

Zoomにはいくつかのショートカットキーがあります。覚えておくと会議の際には効率的に操作ができて便利です。

  • ミーティングオプション(メニューバー)のオンオフ切り替え:(Win) Alt, (Mac) Ctrl+\
  • ミュート:(Win) Alt + A, (Mac) Shift + Command + A
  • 言語切替:(Win) Shift + Ctrl + C, (Mac) Shift + Command + Space

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以上、Zoomオンライン会議で同時通訳者としてアサインされた場合の手順を見てみました。

しっかりと使いこなせるように主催者側や通訳パートナーと事前の打ち合わせ(模擬会議)を入念にしておきましょう。

Zoomでの同時通訳について、通訳者側でも、通訳依頼側であっても、動作テスト等を行いたい場合は、co-inご相談いただければ無料で行わせていただきます。お気軽にご連絡をいただけますと幸いです。

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参考:

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