最終更新日 2020年10月26日 by co-in

co-inと申します。CompanyとInterpreterの頭文字2文字ずつを取ってco-inです。名前の通り、通訳業界でのサービスを立ち上げました。
本業を別に持つサラリーマン3人で運営しています。

本日は、co-inのハイボーラーの2作目となります。

前回の処女作で、通訳を頼むときの企業担当者の苦悩を書かせて頂きました。本日は、処女作の最後に触れた通訳を頼むときに知らないと損することについて書かせて頂きます。

【悲劇】通訳手配の担当者の苦悩~1時間の同時通訳を通訳者1名で手配できないの。。。

通訳の見積もりを取って、以下のようなことを感じたことはありませんか?

「思ったより高いなー。」
「もっと安く通訳を手配したいなー。」
「安い通訳を頼んだら、クオリティが低くて失敗した。。」

この記事では、通訳者達がどう考えているかを知ることができます。この記事のポイントを頭に入れておくことで、通訳者と対等に話をし、交渉することが可能になります。すなわち、通訳を手配するときに適正価格で質の良い通訳を手配することができます。

今日お伝えするポイントは、手配する企業にとってだけでなく、通訳者にとっても損がないwin-winの通訳手配を実現するのに必要な知識です。そのため、適正価格で質の良い通訳手配に繋がります。

通訳発注側が知らないと損すること

私たちは、通訳業界に関わらせて頂く中で多くの通訳者の方にインタビューをさせて頂く機会を頂き、沢山学ばせて頂きました。

多くの学びの中から、発注者と通訳者双方にとってwin-winの手配を実現するために、通訳を発注する側が知らないと損する以下の2つのポイントを今日はお伝えします。

ポイント1:通訳の料金プランに半日料金と一日料金しかないのは、事前準備代が含まれているから。

ポイント2:同時通訳は、どんなに短くても複数人でやる必要がある大変な業務であること。

【ポイント1】通訳の料金プランに半日料金と一日料金しかないのは、事前準備代が含まれているから

通訳の料金プランに半日料金と一日料金しかない大きな理由は、通訳には予習が必要だからです。(様々な理由がありますが、1番大きな理由です。)

なぜ、予習が必要なのでしょうか。
それは、優秀な通訳者であったとしても、分からない分野は適切に訳すことが難しいからです。

例えば、「オーケストラ新規の清掃員は、アイナジエンド推しが多い。」(事実は不明です。)
この言葉の意味わかりますでしょうか。。。

わかった方は、BiSHのファン(=清掃員)ですね。はい。

私の趣味がばれたところで、本題に戻ります。

これは、BiSHというバンドについて書いた内容です。
BiSHについて知らなければ、意味が分かりません。
日本語は理解できても、専門性が高すぎると理解できないのです。

だから、通訳者の方にとって予習は生命線であります。
たとえ、1時間の会議でも予習は必要です。
なぜなら、その分野の言葉がわからないと適切なニュアンスが伝えられないのです。

バンドの話より、もっと複雑なビジネスの世界を相手にしているのですから、その予習時間は計り知れません。

必ず予習が必要なのに、予習時間はタダ働きになるのでしょうか。
それは、フリーランスで働く多くの通訳者にとって死活問題です。
よって、この予習時間を料金に含める必要があります。

しかし、一人ひとりの通訳者がどの分野にどのくらいの予習時間がかかるかを
正確に毎度判断することは非常に困難です。
そのため、本番時間の長さに関わらず、半日料金、1日料金としているのです。このようにすることで、パフォーマンス発揮をするための準備に対しても適切な報酬を得ることができます。

パフォーマンスを高め、きちんと提供してくれたサービスとその準備に対しての対価を支払うという意味では、半日料金、一日料金しかないのは、非常に合理的で妥当なシステムなのです。

通訳者側の視点を理解しておく上で、この点は覚えておく必要があります。

【ポイント2】同時通訳は、どんなに短くても複数人でやる必要がある大変な業務であること

同時通訳はとても大変な業務です。

想像してみてください。

外国語の意味を間違えずに聞き取りながら、同時に日本語に訳すことを。
どれだけの集中力が必要でしょうか。

そもそも日本語同士であっても、耳では常に聞きながら、口では同時に要約した内容を発していく…というような仕事は難しいことが想像できるかと思います。

会議で発言している日本語を15分聞きながら、内容を間違えずに同時に自分の言葉に置き換え隣の人に伝えることは簡単でないことが想像できます。

想像が難しい場合は、こちらの動画(トランプ大統領の就任演説)を見てみてください。
このゆっくり話しているスピーチでも自分が日本語を発しながら、トランプ大統領の英語を聞き取り続けるのは至難の業ではないでしょうか。

前の記事で「疲れちゃうから1人は無理」と表現した部分はこれです。尋常でない集中力が必要となる中、パフォーマンスを保つべく多くの同時通訳の会議では15分ごとに通訳者が交代することを慣例としています。

そのため、無理に1人の通訳者に同時通訳をお願いすることは原則できません。一人で行おうとすると、パフォーマンスが落ちて、きちんとコミュニケーションがとれず、会議の目的が達成されない…本末転倒になってしまいます。

前の記事では、疲れるから2人以上必要という表現をしました。もちろん、伝え方には工夫の余地があります。しかし、「疲れてしまい、クライアントにプロとして質の高いパフォーマンスを提供できない可能性がある」ということはゆるぎない事実です。

最後に

通訳の発注するときに、発注する側が知っておくことで、発注する側にとって得するポイントを書いてみました。本日の内容は、まぎれもなく事実で通訳を頼むとき知っておいて損しない内容です。

そのため、もしも「価格に対して交渉をしたい、通訳を値切りたい」などと思うことがあれば、この2つのポイントを理解した上で、話し合いを行う必要があります。

例えば、毎月同じ月例会議に予習は必要なのか、そうした会議だったら1時間の料金プランが可能では?など。通訳者の立場にとってもメリットのある提案であれば受け入れられる可能性は高いでしょう。

私達は、そのような値切りを企業側で行う必要がないよう、通訳者と企業がwin-winとなるような仕組みを作りたいと思ってます。それが私達が通訳業界でプロダクトを作ろうと思うに至った理由の一つです。

このように通訳者、発注者それぞれにco-inがどのように向き合っていきたいと考えているかを発信する記事をこれからも書いていきたいです。

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通訳を頼みたい企業にとっても、通訳者にとってもベストな形を目指して、通訳手配サービスを運営しております。もしよかったら私達経由で通訳を頼みませんか?相見積もりをとっていただいて構いませんので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

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カテゴリー: 通訳業界知識