最終更新日 2020年10月26日 by co-in

こんにちは。co-inと申します。
CompanyとInterpreterの頭文字2文字ずつを取ってco-inです。名前の通り、通訳業界でのサービスを準備中です。本業を別に持つサラリーマン3人で運営しています。

本日の記事では、私の勤務する会社で実際に通訳手配をした際に起こった悲劇をストーリー調でお伝えし致します。気軽に暇つぶし程度にお読み頂ければ幸いです。

(設定はフィクションですが、起きたことは90%以上、事実です。)

本題に入る前に

今日の記事は、いつもと別の中の人が書きます。文調がいつもと違うなどあると思いますが、co-inのビジネスに没頭しすぎて精神がおかしくなり、二重人格となったわけでないので、ご心配なく。

もう一人の人と分けるために、私は、co-inのハイボーラーと名乗っていきたいと思っています。単純にハイボールが大好きなだけです。(関係ないですが、最近キリンの出した陸おいしいですね。)

それでは、co-inのハイボーラー、処女作を張り切って書いていきます!

導入

オレは、某消費財メーカーに勤める28歳のサラリーマン通訳田 手配助(ツウヤクダ テハイスケ)。皆からは、イスケと呼ばれている。元々、薬局向けの営業をしていたが、異動になり、先月から本社で海外子会社Aの事業管理を担当している。

異動後の最初の1カ月、オレは、順調に新しい仕事に適応していった。スムーズに順応できたのは、前任者が引継ぎ兼ねて一緒に仕事をしてくれていたことが大きかった。

そんな中、異動から1カ月が経とうとしていたある日、前任者から話しかけられた。海外子会社Aとの月例会議の手配業務を一緒にやってくれないかとのこと。会議手配くらいお茶の子さいさい、ポケモンで言う最初のジムリーダータケシを倒すくらい余裕と思っていた。

しかし、今思えば、この月例会議がすべての始まりだった。。。

月例会議の手配とは??

前任者「海外子会社Aのトップマネジメントとは、月例会議を毎月末に実施してるんだよねー。経営状況の確認や重要事項に関する議論などとても大切な会議で、準備がとても大切なんだよね。一緒にがんばりましょう!」

イスケ「会議の手配は、新入社員からやっているので大丈夫だと思います。具体的に何をすればいいですか?」

前任者「日程調整、会議室の手配、資料作成かなあ。。あ、あと忘れてはいけないのが、通訳者の手配かな」

イスケ「え、でも前任者さんは英語話せますよね??」

前任者「話せるけど、やっぱり細かいニュアンスとかは通訳者さんに伝えてもらった方が安心なんだよねえ。イスケ君はそんなに英語得意じゃないって聞いてるし、会議に出る部長も苦手だから手配は必須かなあ。同時通訳だから、通訳者さんは2人手配しといてね!」

イスケ「かしこまりました!手配してみますね。」

前任者「いつものところの電話番号教えるね!そこのコーディネーターさんに場所と時間だけ伝えれば、すべて理解してるから特にやることはないかな。あ、資料だけできたら事前に送っといてあげてね。」

通訳者手配したことないからビビったけど、電話するだけか。簡単だ。良かった。良かった。

通訳会社からの請求書

重要な月例会議も無事に完了した。前任者も新しい部署に異動して無事一人立ちできた。余裕が出てきたある日、一つの請求書がオレに届いた。

通訳会社からの請求書だった。月例会議の時のものだ。

それを見て、オレは、オフィスで思わず大きな声を出してしまった。

イスケ「ええ、、、これ高すぎね!?!?!?」

部長「どうした?イスケ。」

イスケ「いや、1時間だけなのに、通訳って、10万円もするんですか。。2人に来てもらったとはいえ。。。」部長「なんだとぉぉぉ!?!?けしからん!前任者め、さぼってたな。
来月以降、絶対に、値切れぃぃぃぃぃ!!!!」

イスケ「か、かしこまりました。。」汗

オレは、少し後悔した。びっくりして大きな声出してしまったことで、藪蛇になってしまった。部長も通訳がこんなに高いこと知らなかったっぽい。。あの剣幕だとなんとか値切らないとだめだなこれ。。

異動したばっかりで評価を落としたくないよおお。。

通訳会社との交渉

どうしよう。何かヒントはないか。始めが肝心というのに。このままだとオレの評価は、スプラッシュマウンテン並みに急降下する。いやタワーオブテラーか。あれは上昇、下降両方するから違うか。

いやいや集中しろ。考えるんだ。何かないか請求書を見てみよう。

うん??よく見ると会議は1時間なのに、半日料金になっている。。これは発見だ!素晴らしい!

通訳会社さんに間違ってることを伝えたら、安くなるなこれ!!解決解決。

オレは、すぐ通訳会社に電話した。

~電話音プルルルル

通訳会社「はい、●●通訳です。」

イスケ「こないだ通訳を頼んだイスケですが、請求書の料金が間違ってると思いお電話しました。1時間だけの会議なのに半日料金の請求って間違ってますよね。。」

通訳会社「間違ってないですよー。このプランしかないんですよねー。準備とかの料金も含まれてるんですよー。」

イスケ「そ、そうなんですか。でも、毎月同じですよ。準備って何にそんなにかかるんですか?」

通訳会社「通訳者にとっても分からないジャンルが多いので、準備が毎回必要なんですよ。」

イスケ「準備って1時間が半日になるほど、毎回必要なんですかね?」

通訳会社「そういうものなのです。ご理解ください。」

オレは取り合ってくれないと思い、電話を切った。この会社は信頼ならん。一回前任者に聞いてみようと思い、電話をつないでみた。

前任者「前からそうだったからそういうものなんじゃない?そういうものだと思って諦めるしかないよ。『そういうもんだよ』って伝えれば、他のみんなも納得してくれるよきっと。あやふやにOK取って部長を説得するのも、仕事の一つだよ。」

納得できなかったオレは、他の通訳会社を探そうと思った。異動したばかりで、いい評価を得たかったオレは必死だったのだ。

新たな可能性と諦め

オレは、違う通訳会社を見つけようと思い、ググった。
次回の月例会議は、もっと安い通訳会社にしよう。そう思っていた。

しかし、そこには衝撃の結果があった。。。

どこの通訳会社も半日料金と1日料金しかない。。。。。
Web上とは違う結果になるかもと期待して、試しに相見積をとってみたけども、違いは無い。安い通訳なんてないのか。

どうしよう。どうしよう。値切れない。異動したばっかで部長の印象最悪だ。。こわいよー。何とかしないと。。

その瞬間、オレはひらめいた!!コペルニクスが地動説を考え付いたときばりのひらめきだこれは!

今2人で通訳しているが、1人に来てもらって通訳をしてもらえばいいんだ!

オレは、通訳会社に再度連絡をとった。

イスケ「先日、価格が違うとご連絡しましたイスケです。これ、毎月2人来てもらってますが、1人だけにできませんか?」

通訳会社「同時通訳の依頼ですよね?」

イスケ「はい!」

通訳会社「同時通訳の場合、1人にするのは無理ですねー。」

イスケ「え、一人に減らすことはこちらの裁量じゃないでしょうか?」

通訳会社「一人だと疲れちゃうので、減らすことができないんですよねー」

イスケ「つっ、疲れちゃう????どういうことでしょうか????」

通訳会社「同時通訳は大変疲れるのです。終わったときは、頭がとろけるみたいとも言います。とにかく無理なので!」

(えぇぇ、疲れちゃうから倍の金額払わないとだめなの。。。なにそれ。。じゃあオレも部長に怒られて、心がとろけちゃうくらい疲れるから給料倍にしてくれよ。。)

そういって話は平行線を辿ったのであった。結局、先に折れたのはオレだった。オレたのはオレ。

もちろん、オレは次の日、部長にきっちり絞られたのであった。

ここで実体験はおわりだ。しかし、部長、オレともに判然としていない状況は変わっていない。そのまま今に至る。

まとめ

いかがでしたでしょうか。もちろんこれは一例にすぎず、短時間であれば一人での同時通訳を請け負ってくれるケースもあります。しかし、このような場面は、通訳を手配したことあるサラリーマンの方は少しなりとも共感頂ける部分があったのではないでしょうか。

この話ですが、一見、通訳会社さんが塩対応で一方的に悪いという風に見えます。確かに実際より大げさに悪く、通訳会社の対応を描いています。しかし、実はイスケ君とその会社にも改善できるところがあるのです。

通訳を手配するときには、クライアントとして理解しておかなければならないことがあります。

今回、イスケ君も前任者も、もちろん部長も、「通訳者の背景理解」が足りなかったのです。裏を返せば、通訳の価格のあり方などの背景、通訳者の仕事のやりかたを知っており、上手く話ができれば「一部の人しか知らない、お互いがWin-Winになる交渉」を実現できたのです。

そんな通訳者の背景理解についての記事はこちら

知らないとヤバイ!通訳を頼むときに知らないと損すること

その結果として、会社としてお得な通訳手配が実現できる余地があることを、みんなが知らないのでした。

次回のco-inのハイボーラーの記事では、通訳を頼むときにクライアントとして理解しておくと役立つことを配信していきます!

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